こんにちは、歯科医師の山内です。
表題の、「まったく新しい歯医者」、というわけではありません。なにしろ私は四半世紀も歯医者をしていて新しいどころかすっかりベテランでございます。
今日お話しさせていただく新しいとは、歯医者さんで行う型採りのことです。歯医者の型採りというとご経験のある方は、そうです、あの粘土みたいなドロドロとしたゲルをお口に入れて、「はい、では固まるまで少々お待ちくださいね。」というやつです。
主な材料は、アルジネートやシリコンです。かなり緩いゲルなので時に喉の奥まで流れ込みます。あるいはそのような感じが皆様のお口の中やのどの奥に伝わります。何となく気持ち悪いという方だけではなく、本当に本当に苦手の方も多くいらっしゃいます。特に嘔吐反射が強いといって、歯ブラシなどを奥歯の方に運ぶだけでも「オエッ、」としてしまう方にとっては、この歯医者の型採りは地獄ですね。斯く言う私自身も小学生のころから耳鼻科の検診が苦手で、喉の奥を見られるときにお粗相をしてしまった思い出を持っています。
本日紹介させていただくNew歯医者の型採りは、このいままで当たり前だったゆるゆる粘土の型採りとは全く違う、画期的かつたいへん精密な型取り法なのです。
現在私たちの世界では、「光学印象」と呼んでいます。光学というように、3Dのデジタルスキャナーで口腔内を撮影し、デジタルデータ化したCG(コンピューターグラフィック)上で設計し、歯の形に合わせて修復歯を作製します。作製するところまで全部の呼称は、3DスキャナーCAD/CAMデジタル歯科技術というのでしょうけれども、本日はこの中の光学印象の素晴らしさをお話しいたします。
スキャナーは今現在私たちが採用しているSirona社製のものは写真をご参照くださいませ。このカメラを口腔内の各当部位にあて、撮影を行います。少しコツがあって、数秒というわけにはいかず、数十秒掛かることもありますが、必要なだけご開口頂き、水分などは一切使わず、たいへん正確なデータを採取することができます。
ご存じのようにデジタルデータはアルジネートや石膏のように変形することもなく、採取した当初のデータ通りに作業を進めることができるメリットがあります。
オエッとなる従来の歯医者の型採りのような煩雑さや不快感も少なく、何より精密なことが嬉しいですね。
もちろん機械を使う人の技術や習熟度、デジタル技術に対する理解度で、やはり出来不出来は違いが出ます。最後は人と人のリレイションですが。
その後のCAD=デジタル設計、CAM=デジタル製作を経て一通りデジタルデータ上だけで修復歯をかたち造ることができるようになりました。ただし、さらに細かい技術に関しては日本の優れた歯科技工士さんたちに仕上げを確認いただいております。
今現在はごく一部の歯医者さんに限られたテクニックではございますが、今後は必ずこのデジタル技術へ変遷していきます。まずはその新しい歯科の世界のパイオニアとして舟をこぎだした私たちです。まだまだ技術革新の途上でもありますが、ご興味がおありの方には是非お気軽にお問い合わせいただきたいです。
型採りでさんざん苦労なさった患者さま、オエッとなりはしないかと不安でいっぱいな患者さま、虫歯を治さないといけないのはわかっていても、なかなか通院する時間の取れない方にはお力になれる自信があります。どうぞお気軽にお越しくださいませ。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。